2012年04月15日

珍しい絵具

先日大変貴重な物を入手致しました。

IMG_4854.jpg

少しくすんだ朱肉のようにも見えますが、綿です。
大きさは25cmくらいでしょうか。

「臙脂綿」もしくは「綿臙脂」あるいは生臙脂とも言います。

大変古くからある絵具で、今となっては製法が失われているため入手困難になっているものです。
江戸時代には友禅で使用するため年間で中国から数百万の輸入があったそうですが。

色素は古い文献(丹青指南等)だと植物性(紅花、紫草、ミオトリキ草等表記あり)なのですが、今現在ではラック・カイガラムシだと言われています。
※ラック・カイガラムシ≠コチニールカイガラムシ
※コチニールカイガラムシは主に中南米産で、ラック・カイガラムシはインド、東南アジアが産地
※コチニールは通称洋紅と呼ばれる

使用方法も膠で溶くのではなく、
先ず杉箸で必要量ちぎり、おちょこや皿で水で煮出してさらにそれを煮詰めて水分を飛ばし、乾いたものを筆で溶かして使用します。
手で触れてはいけない絵具なので、ちぎる際も油分の少ない杉箸を使用します(何故触れては行けないのかがいまいち分からないのですが、手の油で色が変わってしまう?か、強い染料なので皮膚が染まってしまうから?)

奥村土牛の「醍醐の桜」もこの絵具を使って描かれています。
やわらかいほっこりしたピンク色はこの臙脂綿と胡粉の色なのです。

貴重な絵具ですから、ゆっくり大切に使って行こうと思います。
ラベル:日本画 その他
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posted by Tokujiro OYAMA at 01:59| Comment(0) | 日本画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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